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独立行政法人労働者健康福祉機構富山労災病院 −私たちは、皆さまに信頼され愛される病院を目指します−
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膵臓癌(すいぞうがん)の最前線 わが国における膵臓癌(すいぞうがん)の発生頻度は人口10万人あたり14.8人(男性)、11.5人(女性)で、癌(がん)全体の3.8パーセントを占めています。しかし悪性度が高いことから発生頻度のわりに死亡者数が多く、現在年間死亡者数約2万人と1960年代の約3倍に達し、癌(がん)死の第5位(男性)、第6位(女性)となっています。 膵臓(すいぞう)はちょうど胃(い)の後ろに横たわる長さ約15センチの臓器(ぞうき)で、頭部・体部・尾部の3つに分けられます。頭部は十二指腸(じゅうにしちょう)と、尾部は脾臓(ひぞう)と接しています。 膵臓(すいぞう)のなかでも癌(がん)ができやすいのは頭部です。頭部には胆管(たんかん)(肝臓(かんぞう)で作られた胆汁(たんじゅう)を十二(じゅうに)指腸(しちょう)へ送り出す管)が通っていますが、癌(がん)が浸潤(しんじゅん)することで胆汁(たんじゅう)が流れなくなり黄疸(おうだん)が出ます。これが膵(すい)頭部癌(とうぶがん)の一般的な初発症状です。 膵臓癌(すいぞうがん)を疑った場合、一般的には超音波(ちょうおんぱ)検査やCT検査が行われます。さらにMRIといった特殊な検査や血管(けっかん)造影(ぞうえい)・ERCP(内視鏡(ないしきょう)による胆管(たんかん)・膵管(すいかん)造影(ぞうえい))といった侵襲的な検査が必要となります。 膵臓癌(すいぞうがん)に対しては、現在のところ切除術以外に有効な治療法は確立されていません。膵(すい)頭部癌(とうぶがん)では膵(すい)頭部(とうぶ)を胃(い)下部〜十二指腸(じゅうにしちょう)〜空腸(くうちょう)上部や胆管(たんかん)とともに切除する膵頭(すいとう)十二(じゅうに)指腸(しちょう)切除術(せつじょじゅつ)が、膵体(すいたい)尾部癌(びぶがん)では膵体(すいたい)尾部(びぶ)を脾臓(ひぞう)とともに切除する膵体(すいたい)尾部(びぶ)切除術(せつじょじゅつ)が標準術式となります。しかし全症例のうち切除可能となるのは40パーセント以下であり、バイパス術など非切除術が選択されることがあります。 膵臓癌(すいぞうがん)と診断された場合の切除率は40パーセント以下と低く、切除後の5年生存率(5年後に生存している割合)も10パーセント前後です。 膵臓癌(すいぞうがん)の治療成績向上のために 膵臓癌(すいぞうがん)の治療における問題点は早期発見の困難さだけでなく、T期ですら根治術後に高い確率で再発してくることです。再発部位は局所(膵臓(すいぞう)周辺)がもっとも多く、その一因が膵臓癌(すいぞうがん)のリンパ系・神経(しんけい)系への浸潤(しんじゅん)であることがわかってきました。特に膵(すい)頭部(とうぶ)を貫通している上腸間(じょうちょうかん)膜(まく)動脈(どうみゃく)・上腸間(じょうちょうかん)膜(まく)静脈(じょうみゃく)のまわりにはリンパ系・神経(しんけい)系が豊富で、膵臓癌(すいぞうがん)の浸潤(しんじゅん)もまれではありません。これまでの標準術式である膵頭(すいとう)十二(じゅうに)指腸(しちょう)切除術(せつじょじゅつ)では技術的にこの血管(けっかん)を合併切除することが困難でしたが、我々はふとももの血管(けっかん)を移植(いしょく)することで上腸間(じょうちょうかん)膜(まく)動脈(どうみゃく)・上腸間(じょうちょうかん)膜(まく)静脈(じょうみゃく)を合併切除する膵頭(すいとう)一括(いっかつ)切除(せつじょ)術(じゅつ)を確立しました。
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